ワシントン会合終了、川口議長会見 Kawaguchi press conference in Washington

ワシントン会合は2月15日午後5:30(当地時間)に終了した。その後6:00から約30分間にわたり、川口共同議長による日本語での記者会見が会場に隣接するプレスビルにておこなわれた。

ワシントン会合後の記者会見に臨む川口順����長

ワシントン会合後の記者会見に臨む川口順子議長

会見で川口議長は、その日の午前中のエバンズ議長との共同会見で述べたのと同じように、会合が始まる前日の2月13日に米新政権の要人を訪問したことを強調した。

米政権への5つの要請

米政権要人に対しては、午前中同様、

(1)CTBT批准

(2)FMCT交渉

(3)米ロ核削減、START後継条約等

(4)ロシアおよび中国との戦略対話

(5)核ドクトリン(政策)の見直し

の5点を、国際委員会の考える重要事項として伝えたことを述べた。

このうち、(4)について議長は、「核軍縮に関しては米ロ間だけではなくて米中関係が大事だ」として、透明性向上、CTBT批准などを中国に働きかけてほしい、核戦力の制限等の対話をおこなってほしいと伝えたと語った。

(5)について議長は、「核兵器の役割を核兵器に対する抑止に限定するということである」と説明しつつ、「日本は拡大抑止の下にあるわけだが、そういった国々の安全保障を保証するということが前提であるが」と補足した。

米側の反応

こうした要請に対する米側の反応については、午前中同様、「私たちが考えていたよりもはるかに前向き」としたうえで、「(国際委員会に対する)激励もしていただいた」と語った。さらに具体的には、(1)から(5)の諸点について、米側が以下のような反応を示したことを明らかにした。

(1)については、核実験をおこなわずにいかにして核兵器の信頼性を保てるかが課題となる。

(2)については、検証可能なFMCTをめざして交渉開始をめざしたい。交渉開始に反対しているのは米国ではない、他の国々だ。

(3)については、速やかにおこなう。

(4)については、強化したい。

さらに米側は、「2010年NPT運用検討会議(再検討会議)には野心的に取り組みたい」と述べたという。(5)に関する米側の反応についての具体的な説明は川口議長からはなかった。

核政策見直しと先制不使用(ノー・ファースト・ユース)

(5)に関しては、質疑応答の際に記者との間で次のようなやりとりがあった。

共同通信 核ドクトリンの点について、(午前中の)エバンズ議長の話をうかがうと、いわゆる(非核国に核を使わないという)「消極的安全保証」を何らかの形で米国として明文化せよということをおっしゃったのかと思ったが、そうではないのか。

川口 ノー・ファースト・ユースということを言ってくれないか、ということである。それは抑止の問題になるわけだが、抑止についてはきちんと抑止を守るということを条件として、ということだ。抑止ということを前提にした話だ。

共同 先ほどエバンズ議長は、「核の脅威を伴わない行動に対して核兵器で威嚇したり核兵器を使用したりすることはいけない」ということを米国として言ってほしい、ということだと説明していたと思うが、それでよいか。

川口 まあ大雑把には、そういうことだ。ただ彼が何と言っていたか正確には覚えていないけれども。基本的には、核ドクトリンの今の状況を、このままでよいか考えて進めてくれ、ということだ。

報告書アウトライン

川口議長は、今年の年末をめざして報告書をまとめるために、両議長が作成した報告書のアウトラインが今回のワシントン会合で配布され、それをもとに2日間の議論がなされたことを明らかにした。

川口議長は、報告書は「行動指向型」のものにし、政治家や国民に分かりやすいものをめざす、という基本姿勢を示したうえで、報告書に盛り込む行動計画は、時間軸に沿って「短期、中期、最終段階」という構造に分かれると述べた。行動計画には、NPTの「3本柱」である不拡散、軍縮、原子力平和利用の3つ、そして核テロ問題も取り扱うことになる。

そのうち核軍縮については、最終的にはゼロをめざしていくなかで、「二段階で考える」と語った。現状から削減していって「最後の踊り場」まで行く第一段階と、そのあと、さらに減らしてゼロをめざしていくという第二段階で考えるという。

ではその「最後の踊り場」というのは、数で言えば何発くらいのところなのか、という質問に対しては「今まさに議論しているところ」なのでそこまでは言えないとした。また、「短期、中期、最終段階」の3層構造と、核軍縮の「二段階」との関係を問う質問に対しては、記者会見の司会をした森野泰成軍備管理・軍縮課長から、「短期、中期」が第一段階、「最終段階」が第二段階に相当するとの説明があった。

このような「踊り場」論を含む基本的な報告書の構造は、今回議論したアウトラインを通して、委員の間で「コンセンサスになっている」と川口議長は述べた。

原子力と不拡散

その他の点としては、NPT体制の危機に関連して米印協定に関する討議もなされていること、原子力の平和利用問題に関しては核燃料の供給保証、拡散抵抗技術などについて議論されていることを明らかにした。

(ワシントン=川崎哲)

One Response to ワシントン会合終了、川口議長会見 Kawaguchi press conference in Washington

  1. […] 日米外相会談など ICNNDとは直接の関係はありませんが、昨17日のクリントン国務長官と中曽根外務大臣の会談では、核軍縮・不拡散が議論されています。ICNNDの川口順子議長らが13日にバイデン米副大統領らに核軍縮の行動を要請したことはすでにお知らせしました。そこでは、米国に求めることの重要事項の一つとして、川口議長が「ロシアだけでなく中国との核軍縮に関わる戦略対話をもって…、今日の朝日新聞のインタビューでは、クリントン長官が中国との核軍縮対話について発言しています。 […]

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